シルバー925専門ジュエリーブランドNine Nine(ナインナイン)と申します。
シルバーアクセサリーと一括りに言われることが多いですが、その中でも色々と種類があります。
同じシルバーアクセサリーなのに何でこんなにも価格が違うの?と思われたこともあるのではないでしょうか。
その価格の差に大きく関係してくるのが、「シルバー925」と「スターリングシルバー」です。
このよく耳にする「シルバー925」と「スターリングシルバー」とは何なのかを解説していきたいと思います。
シルバーアクセサリーと呼ばれるもの
まず一般的にシルバーアクセサリーという言葉に含まれるのが
- 色が銀色の合金を使ったアクセサリー
- 合金の上にシルバー925メッキをしたアクセサリー
- 素材がシルバー925のアクセサリー
- シルバー925の中でも、スターリングシルバーを使ったアクセサリー
この4つに分かれ、①~④の順に価格は上がっていきます。
シルバーアクセサリーと呼ばれるこの4つの違いについて見ていきましょう。
(※①②に関して、ジュエリー業界ではシルバージュエリーには含まれませんが、市場を見ているとごちゃ混ぜで使われていることがあるので、あえて取り上げたいと思います。)
①銀色の合金を使ったアクセサリー
まず一つ目。素材の欄に「合金」と書かれた銀色のアクセサリーがこれに当たります。
素材は色々ありますが、チタンやステンレス、ホワイトブラス(白色の真鍮)など比較的価格が安い金属が使われます。
写真などで見ると違いが分かりにくいですが、シルバー925とは全く別物です。
水に濡らすとサビてしまったり、くすんだり傷ついてもお手入れできなかったり、あまり耐久性はないので長期間の使用には向いていません。
銀色をしたアクセサリーだからシルバーアクセサリーと呼ばれることもあるようですが、価格が安い金属アレルギーが出やすい金属が使われていることもあるので注意が必要です。
補足として、チタンやステンレスはアレルギーが出にくいですが、個人差はありますのでsv925や925などの刻印がない銀色のアクセサリーは、使われている素材を確認してからご購入されることをおすすめします。
②合金の上にシルバー925メッキをしたアクセサリー
次に言葉通り、価格が安い合金の上にシルバー925でメッキを施したアクセサリーもシルバーアクセサリーと呼ばれています。
よくあるのが真鍮の上にシルバー925のメッキをしたものです。
シルバーアクセサリーをややこしくしている原因がここにあるのではないかと思うのですが、この合金の上にシルバー925のメッキを施したアクセサリーにもシルバー925の刻印を打つことができます。
更にシルバー925メッキの場合は、ゴールドメッキのGPのような刻印がありませんし、通販サイトなどを見ていると、素材欄にメッキの記載はなくシルバー925とだけ書かれていることが多くあります。
正しくは銀メッキの場合、AGP刻印を打たなければいけませんが刻印がないことの方が多いです。
確かにメッキ部分はシルバー925が使われていますが、素材の大きな割合を占めるのは合金ですし、使っていくうちにメッキは剥がれていきます。
また、メッキの下に使われる安価な金属からアレルギーを起こす可能性が非常に高いです。
私も過去にシルバー925だと思っていたアクセサリーでひどい金属アレルギーを起こす経験をしました。
自ら価格の安さを取ってシルバー925メッキの商品を選んだのなら全く問題はないのですが、メッキの記載なくシルバー925製品だと思わせるような販売の仕方をしているショップは多数あります。
ネット通販やフリマサイトなどは、銀相場から考えてメッキでないと完全赤字になるような価格のものが、シルバー925やスターリングシルバーと記載され販売されているケースもよく見かけます。
残念ながらシルバー925のメッキを写真で見分けることは難しいですし、ショップで実物を見てもシルバー925を普段から扱っている方以外は見分けが難しいと思います。
やはり、2つを並べてみれば輝きが全く違いますが、そうもいかない状況がほとんどだと思います。
もし、店員さんが近くにいるなら「これはシルバー925の地金ですか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。
店員さんの返答が、「はい!地金です!」と返ってきたならメッキではなく確かに地金を使っているはずです。
反対に、「地金??ですか・・・?」と微妙な返答の時は、メッキなのかシルバー925の地金を使っているのか把握していないという事なので、そこから購入するのは少し注意が必要でしょう。
③素材がシルバー925のアクセサリー
そしてやっとシルバー925です。またややこしいのですが、シルバー925を素材に使ったアクセサリーにも更に2種類あります。
それが「シルバー925」と「スターリングシルバー」の2つの素材です。
まずはシルバー925とは何なのかを解説していきます。
シルバー925とは92.5%の銀に強度や耐久性を高める為、7.5%の割金を加えた銀合金のことを指します。
この7.5%の割金に、ニッケルやアルミニウムなどの銅以外の金属が使われているものをシルバー925と呼びます。
本来、シルバー925と名乗って(刻印して)いいものは、上記のような構成でできた素材を使ったものだけです。
②でも書きましたが、銀メッキのアクセサリーも混同してシルバー925と名乗っていることも多々ありますのでご注意ください。
また、シルバー925製品でもアレルギーが出てしまったという方の多くは、7.5%に含まれるニッケルやアルミニウムなどの割金に反応した可能性が高いです。
とは言え、92.5%は高価な銀が含まれている為、銀色の合金やメッキのアクセサリーよりは、断然アレルギーが出にくく耐久性に優れていますし、磨けばまた輝きを取り戻すことができます。
市場では安価すぎるシルバー925アクセサリーが沢山ありますが、他と比べて安くできる理由が必ず何かあります。
海外輸入した安価な製品は925の刻印があっても、そもそもシルバー925ではないものもありますし、シルバー925のメッキの場合もあります。
販売する側がシルバー925とは何なのかを分かっておらず、そういった粗悪な商品を安価で販売してしまっているケースも往々にしてあるのでお気を付けください。
④シルバー925の中でも、スターリングシルバーを使ったアクセサリー
「スターリングシルバー」とは何なのか、結論から言ってしまえばシルバー925です。
しかし、「スターリングシルバー」と呼ばれるにはある条件をクリアしなければなりません。
それは、92.5%の銀と7.5%の銅のみでできた銀合金であることです。
・シルバー925=銀とニッケルやアルミニウム等の金属を混ぜた銀合金
・スターリングシルバー=銀と銅だけで出来た銀合金
2つの違いは割金が銅だけなのか、銅以外の金属なのかという差だけなので、どちらも変わらないんじゃないの?
と思ってしまうかもしれません。
しかし、スターリングシルバーとシルバー925には「時効硬化」という決定的な違いがあります。
シルバー925の中でも、スターリングシルバーが区別されて呼ばれる所以は、この「時効硬化」にあります。
「時効硬化」とは、時間と共に銀と銅が結びつき結晶を成長させていく過程で、硬化する現象を言います。
つまり、シルバー925に比べスターリングシルバーは使っていくうちに時効硬化が進みどんどん丈夫になっていくということです。
古くから使われている銀食器もスターリングシルバーが用いられますが、お手入れすることで従来の輝きを保ったまま現代にも受け継がれていますよね。
スターリングシルバーはお手入れさえすれば、一生輝きを保ったまま受け継ぐことができる丈夫で立派な貴金属なのです。
比較的手に入れやすい価格の銀ですが、その輝きの美しさや耐久性の高さから金にも劣らぬジュエリー素材として、多くの人々に貴ばれています。
①や②で上げたアクセサリーとは価値が違い、当然価格も他と比べ高価になります。
シルバー925とスターリングシルバーの違いまとめ
■シルバー925とは
- 92.5%の銀に強度や耐久性を高める為、7.5%の銅以外の割金を加えた銀合金
=銀とニッケルやアルミニウム等の金属を混ぜた銀合金
【特徴】
- シルバー以外の合金アクセサリーより、アレルギーを起こしにくい
- 傷ついたりくすんだりしても、お手入れすれば輝きが戻る
- スターリングシルバーに比べ安価で手に入る
■スターリングシルバーとは
- 92.5%の銀に強度や耐久性を高める為、7.5%の銅を加えた銀合金
=銀と銅だけで出来た銀合金
【特徴】
- 金属アレルギーをかなり起こしにくい
- 時間と共に時効硬化が出て、丈夫になっていく
- お手入れすればほぼ永久的に輝きを取り戻し、長く受け継ぐことができる
- 金にも劣らぬジュエリー素材として注目されている
ここまでシルバー925とスターリングシルバーの違いについて書いてきましたが、注意喚起も含め、シルバー925アクセサリー以外のことも触れています。
今回の記事が、皆様のより良いアクセサリー選びのお役に立てることを願っています。